サラリーマンの家庭に育ち、私も農業とは無関係の金融サラリーマン。全く農業とは無縁だったけれど、そんな私でもも無農薬/無化学肥料で野菜が作れるようになった。それも思っていたより無農薬の野菜作りは、ずーと、ずーと、簡単だった。それが、この3年間、有機野菜の世界に飛び込んでみての一番の感想。
そんな思い、私と同じような生活環境の方に感じてもらいたい。。
でも、それには条件があって、「野菜を売ることを目指す」と途端に野菜づくりは難しくなる。収穫物の大きさを揃え、収穫時期もなるべく旬の時期をずらして高値をめざし、見た目も綺麗が一番大事、味は二の次。そうするとF1種の種を必然的に使い、ビニールハウスで温度調節と防虫対策を行い、そして農薬も必要となり、また利益を出す為に畑の回転率をめいいっぱいに上げ、その結果、土も痩せるので即効性のある市販の肥料を投入する。これらのバランスを取って毎年やっていくのが相当難しい。
だけど「自分が食べる野菜は自分で作る」というコンセプトにすると、見える景色は一変し、これらの問題が全て解消する。作物の大きさはバラバラでよい、旬の時期のど真ん中を狙って育てる、見た目や形が悪くたってどうでもよい、それより味や安全が一番大切。そうすると固定種の種や有機にあった種を必然的に使うことになり、生命力の強い種を使うことが出来る。また旬をずらす必要もないのでビニールハウスも農薬も不要。防虫にはあまり神経質にならなくても野菜の生命力が勝ってしまうので葉は穴だらけでも、人の食べる野菜は十分育つ。畑の回転率はゆったりとし、落ち葉堆肥で土の回復を待つ。よって化学肥料も要らない。
要は、昔ながらの生命力の強い①「種」を使い、農薬や化学肥料の入っていない②「土」を使い、その野菜のベストの③「播種時期」に種を撒き、良い土だと雑草も元気に育ってしまうので、ほどよく刈って④「雑草を弱める」。この4点だけを注意していれば、自分の食べる野菜を十分満足のいく大きさで育てる事ができる。また野菜を売って稼いで生活する訳でないので、3割打者のように3割の野菜が育てば「御の字」くらいに構えられる(それでも2022年は実際8割くらいの野菜が豊作でした)。
①「種」は、佐倉には多くの農家の方が昔から信頼して使っている赤松種苗店があります。ここでは、固定種の種も有機に向いた種も、大体の種を入手することが出来ます。また当農学校でも、そのような品種の種を使っていきますし、どのような種が、有機に向くかの情報も提供していきます。また、手元に余分に種がある場合、お裾分けもしていきます。
②「土」は、12年無農薬無化学肥料だった畑ですので、微生物がかなり豊富だと思います。加えて「落ち葉堆肥」や「(平飼い無農薬の野菜くずで育った鶏の)鶏糞堆肥」等も畑に備えていますので、それらを自由に使うことができます。また、2023年は40年以上無農薬で野菜を作っている佐倉にあります林農園より、堆肥の種を頂いてきましたので、それを当畑の堆肥にブレンドしています。さらに微生物豊かな土へと変化していくことと思います。
③「播種の時期」は、農学校で学びますし、園主からもFacebookグループにて都度インフォメーションしていこうと思っています。それで播種時期を逃すことなく撒いていけると思います。
④「雑草を弱める」は、ここは自分の努力次第です。まめに畑に来て、雑草を抜いたり刈ったりする必要があります。この作業は大切です。
これらを基本として進めていければ、それなりに自分の食べる野菜は大きく育つと思います。
あとは、防虫トンネルを張ったり、霜よけの寒冷紗を敷いたり、つる性野菜の為のネットを設置したり、野菜が倒れないように支柱を立てたり、苗を作ったり、定植したりと、個々の野菜のちょっとした応用編を身に着ければ、この時点で「自分でも無農薬で野菜がつくれる」という実感が、沸いてくると思います。
学ぶだけでは、「自分で野菜が作れる」という自信にまでは、なかなか昇華できないと思いますので、その実践の場として「貸農園」があります。
このようなプロセスを通して「自分でも無農薬で野菜が作れる!」を目指す農園となっています(^^)/。